楽しいサマーオークションは、あっという間だ。
先月、ジュネーブと香港で開催された主要メゾンのオークションが成功に終わったが、今注目されているのは、ここニューヨークで、クリスティーズ、フィリップス、サザビーズがそれぞれ来週中に開催するビッグアップル(NYC)本社でのライブオークションだ。
有力メゾン3社は、各々125ロットを超える深い感銘を与える素晴らしいカタログを用意している。また、今月はクリスティーズとサザビーズが一貫してライブオークションを開催してきたが、今週末にはフィリップスが初めてニューヨーク サマーオークションを開催することも注目に値する。ニューヨークのオークションシーンが、かつてないほど盛り上がっていることの表れだろう。
クリスティーズ 卓越した来歴を持つインポータントウォッチ:カイロスコレクション Part Ⅲ、2022年6月8日~9日開催
すべては水曜日の午後6時(米国東部時間)、ロックフェラー・センターのクリスティーズ本社でキックオフされた。クリスティーズ時計部門のトップであるキース・デイビス氏、旧友のシニアウォッチコンサルタントのアダム・ビクターらがディープなカタログを編成し、そのなかには、クリスティーズが過去1ヵ月間にジュネーブと香港で販売した、複雑かつ希少な現行のパテック フィリップの時計を中心に構成された、単独オーナーが築いたカイロスコレクションの第3弾(最終回)が含まれている。
残りのカイロスコレクションのロットは、最初の68ロットが最初のイブニングセール全体を構成しているが、2日目の晩は、ヴィンテージのヒット作が惜しみなく投入される。137ロットのオークションのうち、3分の2近くがオリジナルオーナーやその家族から譲り受けたもので、初めてマーケットに登場する時計であることは驚くべきことだ。
Lot No.64:非常に特別なスプリットセコンド・クロノグラフ
パテック・フィリップはごく最近、Ref.5470P-0011を発表し、ラトラパンテというジャンルの最新作を我々に見せてくれた。しかし、同社が自社製スプリットセコンド・クロノグラフの製造に初めて着手したのは、それほど昔のことではない。Ref.5950/1A-010は、2010年に発表されたパテック Ref.5959の後継として、2010年に発表された。Ref.5950は、先代よりも少し大きめだが、初期デザインのヴィンテージな魅力は十分に受け継がれている。クリスティーズのLot No.64は、ブルーダイヤルにシルバーインデックスの組み合わせで、わずか10本しか生産されなかったもので、落札予想価格は30〜50万ドル(約4025万〜6710万円)だ。 ※編注:69万3000ドル(約9300万円)で落札された。
Lot No.94:マーケット初登場 ロレックス Ref. 6263 “ポール・ニューマン” MK1 ‘オイスターSotto’コスモグラフ デイトナ
今週競りにかけられた2本のヴィンテージロレックス “ポール・ニューマン”デイトナのうちの1本、Lot No.94はポール・ニューマン‘オイスターSotto’ Mk-1のダイヤルレイアウトを持つ注目のデイトナである。カナダに住むオリジナルオーナーの家族から譲り受けた個体で、このダイヤルレイアウトを持つ5本のRef.6263の個体のうちの1本。参考までに、この同じダイヤルレイアウトを持つ5本の個体はすべて、もともとカナダ国内に輸出されたものだ。クリスティーズは60〜100万ドル(約8070万〜1億3425万円)のあいだで落札予想価格を提示した。 ※編注:69万3000ドル(約9300万円)で落札された。
Lot No.111:注目のレッドドット
パテック フィリップの極めてレアなモデル、Ref.3448のパーペチュアルカレンダーは、3時と4時のあいだに、真っ赤なエナメルで埋め尽くされた開口部があるのが特徴だ。この“レッドドット”はパテック フィリップのうるう年表示の初期の例であり、実際、Lot No.111は、その仕様のRef.3448の2本のうちの1本で、WG製のうるう年表示が可能なパテック フィリップ初のパーペチュアルカレンダーである。そう、不思議に思われたかもしれないが、このモデルはリリース直後にパテック フィリップによって特徴的な一体型のWG製ブレスレットとの組み合わせに変更されたのだ。
まったく同じ時計が、1990年代のクリスティーズ・ロンドンをはじめ、長年にわたって何度かオークションで落札されているが、純粋な歴史的観点から見ても、これまでのところ、今年のオークションの大注目株になるに違いないと思っている。クリスティーズはその希少性に見合った80〜160万ドル(約1億765万〜2億1530万円)の落札予想価格を提示している ※編注:100万8000ドル(約1億3560万円)で落札された。
Lot No.120:歴史にインスピレーションを与えた時計
フィリップスは、クリスティーズのオークションが終了した数日後の今週末、俳優のジェームズ・ガーナーが所有していた数々の時計をオークションに出品する。1964年の第2次世界大戦中の映画『大脱走』は、ナチスドイツの第三航空兵基幹収容所のイギリス連邦軍の捕虜が集団逃亡を図った物語である。ジェームズ・ガーナーの時計は魅力的で注目に値するが、やはり本物には敵わないようだ。クリスティーズがLot No.120で販売するのがその“本物”のほうである。
このロレックス Ref.3525 “Monoblocco(モノブロック)”クロノグラフは、英国空軍のジェラルド・イメソン中尉が、第三捕虜収容所に投獄され、脱獄を試みていた時に届けられたものである。この時計は、現実世界の忍耐と陰謀を潜り抜けた驚くべき物語であり、20〜40万ドル(約2690万〜5380万円)の予想落札価格が見込まれている。この時計については、英国バッキンガムシャーのボーン・エンド・オークションで初めて販売される直前に寄稿者エリック・ウィンド氏が執筆した2013年のHODINKEEの記事で詳しく紹介されている。
【関連記事】:2022年春夏に現れたデザイン、バッグ。
- ニューヨーク サマーオークションが開催!クリスティーズ、フィリップス、サザビーズの注目ロットを一挙紹介
- 登録日時
- 2022/06/17(金) 15:27
- 分類
- 未分類
2023年の春夏シー URL 2023年07月14日(金)18時17分 編集・削除
お腹がチラリと覗くクロップド丈のトップスは、暑い夏にぴったりのトレンドアイテムとして、ファッション界で大きな注目を集めています